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2007.08.25

第32回 教育研修編1 自信を持たせる研修~ヤオハン・インターナショナルその1

開店当日に100万人の来店客があったといわれる上海新世紀商厦をはじめとする百貨店、上海市内に10数店舗を展開するスーパー、総合流通センターの機能を持つ上海IMMなど、ヤオハン・インターナショナルは上海を中心に活発な事業を展開する。1996年7月には本部を香港から上海に移すなど、中国市場重視の姿勢をより鮮明にしている。

外資系とはいうものの、中国に根付いた経営を目指す同社の姿勢は明確だ。そのため核心となる従業員を育てるための教育研修には非常に力を入れている。

教育担当責任者であるヤオハン(上海)有限公司の日本人副総経理は、入社以来、人事・教育畑を歩んできたエキスパート。シンガポールや香港、コスタリカなど海外での人材育成経験も豊富だ。

中国でこれまで行われてきた社員教育を同副総経理は「教育でなくて説教」と表現する。中国の職業訓練学校の研修を見ていると、生徒を前に教師が「あれをやってはいけない、これをやってはいけない」と延々と話し、それを生徒がひたすらノートに書き写す。

「これではいつまでたっても自主性のある社員は育たない。自分に自信を持って、自らの能力を開発していく社員を育てなければダメだ」と同副総経理は話す。

95年冬、浦東新区にオープンした上海新世紀商厦には約1800人、96年春に開店した無錫新世紀大厦には約1600人の従業員がいる。同副総経理はこれらの従業員を相手に「自分たちで考えること」を習慣づける研修を行った。

例えば従業員を10人ほどの単位でグループに分け、リーダーを決めて「新世紀商厦をよくするにはどうしたらいいか」といったテーマで話し合わせる。また「目の前に川があって向こう岸に椰子の実がある。どうやって取りに行くか考えよ」といった課題も出る。

グループで話し合った結果を代表が前に出て発表し、それを幹部らが採点する。順位はつけるものの正解があるわけではない。「起承転結がはっきりしている」とか「発想がユニークだ」などと何かと理由を見つけては誉めて商品を出す。

これまでも説教式の授業しか経験したことがない従業員たちは、自分のアイデアを上司の前で自由に発表し、それが誉められるという体験がない。グループで力を合わせて考えるという経験も初めてである。「まず意識改革。固定観念から解放することが先決」(同副総経理)というのが研修の目的だ。


※文中のデータや法律などは執筆時点のものです。中国の動きは速く、現在とは状況が変わっている部分があります。その点はご留意のうえ、ご参考にしていただければ幸いです。

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コメント

拝読いたしました。rock
顶!

投稿: kan ichimei | 2009.05.17 18:33

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