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2005.10.24

第30回 採用篇9 能力より価値観重視の採用を~その1

企業にとって人の採用が大切なのは世界共通の話だが、中国のような経済成長段階の初期にある社会の場合、それは特に重要なポイントになる。その理由は中国社会では人材の「バラつき」が日本より激しいからである。

急激な改革開放の進展で所得や生活水準の格差は開くばかり。また国土が広く、生活環境の地域差も非常に大きい。政治体制や経済システムに対する理解度も人によって実にまちまちである。

そのため、その人がどのような環境で育ってきたのか、どのような種類の人々と接して生きてきたのかによって、その人の価値観や能力、道徳面などので身につけたものの開きが非常に大きいと理解しておくべきだ。

ある深センの日系メーカー総経理は「中国では人の考え方がバラバラで、価値観の個人差が日本よりずっと大きい。だから企業にとっては『どんな能力がある人か』よりも『どんな価値観を持った人をか』のほうが重要だ。どんな価値観を持った人を集めるか、そしてそれをどうやって引き出すかの問題のほうが大きい」と話す。

特に深センは中国全土からの「出稼ぎ都市」であり、いわば中国版「人種のるつぼ」的な性格の街だ。それだけに企業にとっては人材の「能力より価値観」という視点が重要になるのだろう。

しかしながら日系企業のこれまでの中国進出の現状を見ていると、「自分たちの望む人材を集める」という点をあまり重視していたとは思えない。同じことをやるにしても「誰がやるのか」が企業の命運を握っているにもかかわらず、合弁パートナーの提供する人材を大した選別もなしに受け入れたり、新聞や人材紹介機関のなどの手近にある手段を使い、集まってきた人々の中から適宜選別するというのが普通のパターンだった。

その結果、従業員が思い通りに働いてくれない、能力が要求する基準に達しない、会社に不満ばかり言う、離職率が高い----などの問題が起こっているケースが少なくない。

こうしたことになる背景には何があるのだろうか。

※文中のデータや法律などは執筆時点のものです。中国の動きは速く、現在とは状況が変わっている部分があると思われます。その点はご留意のうえ、ご参考にしていただけますよう願いします。

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