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2004.10.31

第26回 採用編5 またたく間に集まるワーカー~凸版印刷(深セン)

ご挨拶

仕事の段取りがまずく、手が回らなくなって1ヵ月ほど更新を休んでおりましたが、やっと多少は息をつける状況になりましたので復活します。ご迷惑をおかけいたしました。

なお今回のテーマは特に当時と状況が変わっています。雑誌『フォーサイト』(新潮社)の最新号(2004年11月号)に「なぜ広東省が『人手不足』に見舞われたのか」と題して関連する最新の内容を執筆しております。ぜひそちらもご参照ください。なお余談ですが、同号に掲載されている畏友・藤田洋毅氏の「中国を揺らした権力闘争のいまだ語られざる真実」も圧倒的な迫力です。ぜひおすすめします。
(http://www.shinchosha.co.jp/foresight/index.html)

総経理のつぶやきで200人

同じ人材募集といっても中国華南地方の広東省深センではだいぶ様子が違う。凸版印刷の現地法人、凸版印刷(深セン)有限公司は93年4月に操業を開始。写真集や豪華本などの印刷、製本を行うほか、グリーティングカードや日本の慶弔電報用紙、商品パッケージなどの生産を行っている。従業員は約1000人にのぼる。

深センは中国初の、かつ最も成功した経済特区である。もともと一面の水田だった土地に忽然と大都市が出現した街だ。したがって特区設立以前からの住民は非常に少ない。人口のほとんどが、自分の能力を生かす機会と、より高い賃金を求めて外地からやってきた人々である。「仕事」に対する反応が非常に敏感な土地柄であるといえる。

余剰労働力も多い。同社総経理の話では、同社のある宝安区の人口は100万人ほどだが、うち就業可能な人口は約80万人。ところが現に就業している人は60万人しかいないと地元の労働局は見ているという。

同総経理は「私が、そろそろ20人ほど採るか」とつぶやくだけで翌日の朝には門の前に200~300人が群れをなしている。張り紙も広告もいらない。総務部長が表門から裏門まで歩く間に50人集まるという話があるほど」と話す。

それらの応募者に対して、視力1.5以上を条件に四則計算や読み書きのテスト、「折り紙を10分間に50個作る」といった試験を行い、面接のうえで採否を決める。毎回の合格者は応募者の10分の1以下なので、単純作業をこなすワーカーとしては充分なクオリティの人材を確保できるという。

(この項目つづく)

※文中のデータや法律などは執筆時点のものです。中国の動きは速く、現在とは状況が変わっている部分があると思われます。その点はご留意のうえ、ご愛読をお願いいたします。

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コメント

田中信彦さま

お元気ですか。ご活躍のこと、NECのサイトでよく記事を見かけています。相変わらず、様々な国への円借、無償、その他技術協力事業の調査団の仕事をしています。

若くて優秀でやる気のある女性を励ますようなことをしたいと思っています。

日本におられますか。 青木憲代

投稿: あんとん | 2014.01.06 15:00

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