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2004.09.19

第25回 採用編4 採用には地域差の考慮を~東レ

 最終的には新聞広告での中途採用も含め、大専(短大クラス)以上の出身者約40人を採用した。出身地は問わなかったが、やはり戸籍による勤務地の制限の関係で、約8割が地元南通市や周辺の江蘇省出身者となった。

 総務部長は「将来のあるプロジェクトなので、広範囲から優秀な人を採りたかった。その意味で学校との継続的な関係ができたのが大きい。かなり選別して採用することができたので、学力や能力、人柄などすべてに満足している」と話す。

 現場のワーカーは主に職業高級中学(日本の職業高校に相当)の卒業生を採用した。大学以外は戸籍の制限がより厳しく、南通市以外の人は採用できない。開発区の事務所に頼めば適当な人材をアレンジしてくれるが、こちらも将来のことを考えて自分でルートを作ることにした。

 高卒の採用は大卒より半年遅く、卒業間際の5月頃に開始。20校ほどの学校の就職担当の先生に電話し、アポイントを取って訪問する。やはり東レの企業説明から始めて、希望する人材のスペックや人数を伝えて紹介を依頼する。南通市内では東レは最大規模の外資系企業であり、知名度は高いので話はスムーズに進んだ。

 中には50人以上の学生を集めてくれた学校もある。総務部長はすべての学校に出向いて面接に参加した。「中国語はわからないが、学校の成績は資料を見ればわかるし、質問への生徒の受け答え、瞳の輝き、態度を見れば、ぜひ働きたいという意欲のある生徒は判断がつく」。中国人スタッフと同総務部長が一緒に面接し、後で結果を照合してみると、10人中9人までが一致していた。

 高校生たちに志望動機を聞いてみると、能力面への関心が非常に高い。自分の能力を正当に評価されたいという気持ちが強い。その一方で安定志向の強さも印象に残った。
 「その企業が長期的に発展する可能性があるのかを気にする。外資系企業は失敗したら会社を畳んで帰ってしまうのではないかと心配している。当方も何百億円も投資するのだし、そんなことはないよと話すのだが、それでも不安があるようだ」。

 北京や上海などの大都会なら外資系企業は多いし、転職の機会にも恵まれている。しかし地方都市ではまだまだ雇用機会は少なく、転職よりも安定を望む気風は強い。中国での事業には地域差を考慮に入れることが大切な要素であることを物語っている。

※文中のデータや法律などは執筆時点のものです。中国の動きは速く、現在とは状況が変わっている部分があると思われます。その点はご留意のうえ、ご愛読をお願いいたします。


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