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2004.09.09

第24回 採用編3 企業のPRそのものが求人活動~東レ

揚子江北岸の南通市は古くから繊維産業の盛んな街として知られている。東レはその南通市経済開発区で投資総額500億円という、繊維製品の一貫生産プロジェクトを展開している。これだけの規模の工場は日本国内にもなく、同社最大級のマレーシア、ペナンの工場に匹敵する。21世紀の中国市場をにらんだ一大拠点として、フル稼働時の従業員は2000人近くに達する見込みだ。それだけに採用活動には力を入れている。


出資比率は東レ65%、日本国内の協力会社サカイオーベックス35%という構成の日本独資。東レが全社経営や財務、総務、人事、営業、工務などを担当し、生産をサカイオーベックス担当する。94年8月に染色加工、95年9月には製織の現法をそれぞれ設立した。両者は登記上は別々の独立した法人だが、役員などはすべて兼務で一貫生産の一部を担う形になっており、今後も次々とその他の工程へと事業範囲を拡大していく計画だ。

大規模なプロジェクトだけに初代董事長兼総経理にはインドネシア駐在経験が長く、マレーシア現法の社長も務めたことがある本社理事が就任。また董事兼総務部長には東レ本社の勤労課長が赴任した。この総務部長は84~90年にかけてタイの現法でも総務・人事部長を務めており、人事と海外の経験は充分だ。現法の責任者を選ぶ時点でのこの人選がまさに「人」の問題を重視する同社の姿勢を示しているといえよう。

会社設立間もない94年12月、新聞広告で採用した総務・経理担当の中国人社員と通訳を伴い、同総務部長は幹部候補社員募集のため地元南通をはじめ、上海や蘇州、南京などの大学の繊維関係学部を回った。東レは日本では超大手企業だが、中国では知名度はほとんどない。どの大学でもまず会社の中国語版パンフレットを配って、同社の経営理念や中国プロジェクトの全体構想を説明した。中には100人近い学生が集まった大学もあった。

同総務部長は「企業PRそのものが求人活動だと思う。私は中国勤務は初めてだが、学生との対話の中からおぼろげながらも職業観や人生観をつかむことができ、人事・労務管理に多いに役立った。」と話す。

また学生に充分な情報を提供するため、希望者には会社訪問や工場見学の機会を作り、同社に対する理解を深めるよう務めた。同総務部長は「これらの機会に学生は我が社のことをより深く理解するし、我々も学生の意欲や適性などを見極められる。手間はかかるが、こうした経緯を踏むことが新しい人材が意欲的に仕事に取り組み、企業に定着してくれる第一歩だと思う」と話す。

※文中のデータや法律などは執筆時点のものです。中国の動きは速く、現在とは状況が変わっている部分があると思われます。その点はご留意のうえ、ご愛読をお願いいたします。


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