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2004.06.21

第7回 続 「中国はコネの国」は本当か

当たり前のことだが、ビジネスの成功、不成功は世界中どこの国でもその企業の提供する製品やサービスがユーザーに歓迎されるかどうか、働く人の能力を十分に生かせる経営ができるかどうかで決まるのであって、それは中国でも全く変わらない。

至極当然のことで、いまさら何を言うかと怒られそうだが、現実には中国進出となると大手企業の人々までもが、そうした本質をなおざりにしたまま、政府の有力者との人脈や知り合いなどのコネをたぐりたがるのはどうしたことだろうか。偉い人のコネは万一の時に役立つこともあるかも知れないが、それはあくまで非常事態の最後の手段であって、それ以上の意味はない。製品やサービスの対価は最終的には市場で消費者が負担するのだがら、コネがあればいい製品ができて、人脈があれば商品が売れるなどということがあるはずがない。

言い方を変えれば、相手の利益になる仕事をするなら人脈などいらないということである。自分の会社の事業の狙いが正しく、実力があれば、人脈は向こうから歩いてやってくる。人脈やコネとは自分が選別して「使う」ものであって、「頼る」ものではない。

コネや人脈に頼った進出をするとどうなるか。

確かに工場の敷地を選んだり、電気を引いたりといった初期段階ではさまざまな便宜を図ってくれることもあろう。最近は以前よりだいぶ少なくなったようだが、税金の扱いを配慮してくれたりすることもあると聞く。だが事業が立ち上がって利益が出始めると厄介なことになる。

往々にして「親類の息子が仕事がないのだが」とか「知人の娘が日本に留学したがっている」などといった類の有力者のつぶやきが聞こえてくる。人脈に「頼って」しまっているから、むげに断るわけにいかない。次第に要求がエスカレートし、利益配分や人事権にまで介入され、表現は悪いが吸血鬼に吸いつかれたまま「生かさず、殺さず」状態になったという例は少なくない。

中国人でも何人でも、自分の利益になる人なら知り合いでなくても助ける。メリットもないのに助けようという人がいたらむしろ気をつけるべきであろう。日本人とて同じである。助けてほしければ相手に役立つ人になる以外に方法はない。偉い人を「知っている」ことは何の役にも立たないのである。

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